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コラム

欲しい情報はコンピューターの中にない  2010.06.14 河端 克美

企業活動にとって、システムは不可欠な存在になってきている事は間違いないが、経営者の視点から必要な情報がシステムから取り出せるかどうかと言う事については、まだまだ改善の余地があるようだ。

先日の日経ビジネスにかのピーター・ドラッカーの言葉がのっていた。98年に書いた「コンピュータリテラシーから情報リテラシーへ」に書かれているそうだ。

情報を道具として使うようになるや、それが何であり、何のためであり、どのような形であり、いつ得るべきであり、誰から得るべきであるかが問題となる。そしてそれらの問題を検討するや、必要な情報つまり重要な情報は、現在の情報システムでは得られない事を知るにいたる。
ピーター・F・ドラッカー(上田 惇生訳)


昨今、経営情報を分析するBI(ビジネス・インテリジェンス)が注目を集めているが、このBIの基本構想・要点定義の段階で、必要な情報とは何か?を定義する必要がある。
この情報には、社内で得られる情報も社外から得られる方法も両方あるのだが、ある顧客では、必要な情報は何かと言う問いに対し、「当社として特別に必要な項目は無く、世間一般の指標が見られれば良い。」という答えが返ってきた。
確かに世間一般の指標は必要かもしれないが、情報を要求する側として「必要な情報とは何か」という思考プロセスを放棄しているようにも見える。

このように要求が曖昧な状態でシステムを整備した所で効果など得られる筈が無い。
改めてこのようなシステムに何を求めるのか?目的は何か?と言った事を考える事の重要さを思い出した。

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